TA(Transactional Analysis)は、アメリカのバーン博士(E.Berne 1910〜1970) によって創設され、日本では 「交流分析」と呼ばれ位置づけられています。

TAは、一つのパーソナル理論で、個人が成長し変化するためのシステマティックな心理療法で、コミュニケーション理論や児童発達理論などにも関係があります。

日本交流分析協会は、この理論を活かしノンクリニカル分野での展開を目指した 協会で(昭和51年10月に「日本産業交流分析協会」として発足)、通常の生活の場合 には心身の面での気づきや自律心、生きがい、働きがいをもとめて、教育、福祉、 産業、行政、サービスなどの幅広い分野で活用されるよう活動しています。

TAの沿革 | ノンクリニカルTAとは | TAの七つのジャンル | TAを用いて活躍している方々

21世紀の人類の生活は地球上での環境の中で民族紛争、災害などによる難民の問題、共存共生のための環境破壊防止、食料の確保流通、産業構造の調整と雇用安定、共生意識確立のための教育の普及など数多くの問題を抱え、各国がそれぞれの文化を尊重しながら協調の実をあげることが必要とされているのが現状であります。

交流分析の理論は、精神分析に端を発して医学界にカウンセリング治療として深く研究されてまいりました。その目指す理念の"あなたもOK.私もOK."という考え方やそのプロセスおよび技法は、上述の諸問題を解決するための人間関係円滑化のために有用なものであります。

日本交流分析協会は、医学上の治療面には立ち入ることなく、通常の社会生活の中で この理論をさらに深めて、上記の問題解決に適用貢献しようとする教育団体であります。

具体的な貢献領域としては、好ましい家族関係の確立、組織内チームワークの確立、顧客満足を実現するコミュニケーションサービスの徹底、人間尊重の理念に基づいての経営管理者、自治体役職員、学校教職員などのリーダシップ向上、青少年の健康育成、そして、特殊領域として、余命告知をうけ、末期を有用な人生としたいと希望される方への よき傾聴者としての役割をもち、これらの領域は社会で幅広く活用され、貢献しております。


 ストロークは、なでる、さするなどの意味がありますが、TAでは相手を認める言動の全てをストロークと呼んでいます。「おはようございます」「今日は」という挨拶や、優しく微笑みかける肯定的なストロークもあれば、叱る、怒るなど否定的なストロークもあります。人が幸せを感じるのも、不幸せになるのも原点はストロークの出し方、受け取り方によります。

 人は三つの心があります。社会のルールを守ろうとしたり、相手を誉めたり労ったりする「親」の心(P)や、状況判断をする「成人」の心(A)、天真爛漫に振る舞ったり、頼ったりする「子ども」の心(C)などです。この三つの心を時と場合によって上手に使うためにエゴグラムをもちいて自分の特性を知ることができます。
 
 自分に三つの心があると同じように、相手にも三つの心があります。私たちは、この三つの心を使って情報を伝えたり、相手を理解したりします。対話分析を理解することにより、その場に相応しい対話ができるばかりでなく、相手の気持ちに沿った対応が大切です。


 生まれて間もないあかちゃんの頃から、相手を慕ったり、警戒したりする基本的な対人姿勢がそなわっています。自分を卑下した人生態度であったり、相手を抑圧するような態度をとるのではなく、「自分も相手もOK」という相互理解の関係を目指すことが大切です。
 相互理解の関係は、自分にとってよい関係であると共に、相手もまた"OK"であるように働きかけることです。

 人間は独りぽっちになって、ストローク飢餓にならないように、時間の構造化をします。周囲の人達からストロークを得るための六つの方法をつかって、自分の存在を周囲に認知されるようにしています。

 あなたは「前にも同じようなこじれた対話をした覚えがある」と思ったことはありませんか。もしあれば心理的なゲームをやったことになります。人はストローク飢餓になると、否定的なストロークによる心理的ゲームで飢餓を癒そうとします。

 人生脚本とは、それぞれの人に脚本が用意されているかのような人生を歩むことから名づけられました。子供は親の養育の下に育ちますが、環境によってよい脚本を得るばかりではなく、悪い脚本も大なり小なり受取っています。そしてこの脚本が大人になったいま、あらゆる行動に大きな影響を与えています。


◆看護活動  病める人々にとって、看護婦の一言や動作が大きな影響を与えることは確かです。TAを活用して、ちょっとした気配りや励ましが患者に大きな喜びを与え、健康を取り戻す気力にもつながります。

 私は、病院勤務の看護婦をしています。TAを勉強してから患者さんとスタッフの関係の中でとても役立っています。患者さんの話を聞くときは、表情や姿勢など自然と相手の立場に立って聞けるようになりました。〔月江 ゆかり〕


  「あの患者さんが、あの婦長が、あの医者が、あのスタッフが、この組織がこう変ってくれたらいいのに」と思うその心が、交流分析を学ぶことによって、ホット楽になる。自分を知り、自分の態度やかかわり方を変えることで、相手が変ってくれる。患者の心をとらえ、心を和ませます…………私がより私らしくいられる…………人間関係のオアシスを作りだしてくれるのです。〔加治木 千恵美〕
◆介護
高齢者のお宅へ訪問して、その人のペースに合わせてお話していると、色々な自分に気づかされます。そして人間っていいなぁと思います。そんな中から「わかりやすい心のやりとり」という講座を開催しました。福祉に携わる人々には、自分を知り、他人を理解し、プラスのストロークを与えられるようになってほしいものです。〔田中 明子〕

◆ホスピスボランティア  死の間近い人々のゆれうごく心の理解に心掛け、患者の言葉に耳を傾ける。
 このようなホスピス活動にTAを活用して対話の留意点に気を配りながら活動している方々がいます。


 存在を失う苦しみや、辛さを聴かせていただきながら、その方の心に寄り添い時間を共にする。「聴く」は心を癒すストロークだと思います。〔田畑 昌子〕
◆会社事務  会社では、お客様、上司、同僚、後輩等々複雑な人間関係のなかで、円滑なビジネス対応が求められます。叱責やこじれた対話で心が暗くなるときもあれば、よい成果に喜びを感じることもあります。
 TAで自分を知ることにより、よい人間関係を醸成することができます。


 私は、私が本気で心地よいと感じる働き方をするために、今ここに存在する私に「どうしたいの?」と問いかけて、自分自身への気づきを大切にしています。〔佐藤 恭子〕
◆地域社会
私は、調布市役所・社会教育課の市民サークル「生活の中の心理学」でTAの公開講座を実施し、大変ご好評をいただきました。それは、研修を明るく、楽しく、分かりやすく、をモットーにしたためです。TA研修について、准教授の情報交換を密にして、より効果的な研修を目指したいと願っています。

◆地域活動 自治会など、住みよい町づくりが盛んですが、個々人の思いや感情が整理されないまま討議がすすみ、思わぬ進展に戸惑ったり、混乱したりするものです。TAで自分の話に磨きをかける、そのような活動をしている方々がいます。

 私は家庭の主婦を対象に話し方の勉強会をもっています。
 TAを用いることにより、感情、思考、行動を言葉で表現することが容易になり、心が通う対話が楽しめるようになります。〔阿部 紀子〕
◆職場
子育て支援にTAを活用しようと奮闘中です。子育ての悩みや今話題の虐待、思春期を取り巻く事件も、結局は様々な人間関係の問題ではないでしょうか。ひとりひとりの声にじっくり耳を傾け、心に添うことに努めながら「今、ここでの私にできる事は何?」を、常に自分に問いかけています。親と子、そして家族や地域のみんなが”OK−OK”の存在になることを目指し、幸せづくりのお手伝いができたらいいなと思っています。

◆教育
聞き手である私のNPを働かせて、相手のCから発せられる内容(事柄と感情の両方)に耳を傾けます。それは相手への最高のストロークは『傾聴すること』だからです。また、心の働きを目に見える形でフィードバックできる『エゴグラム』は、相談者の自己理解のみならず、ラポールを深める上でも大変有効で、しばしば活用します。〔川岡 史〕

◆家庭
3歳になる双子の息子は、イタズラ&ワガママ盛り。イライラしない日はありません。一日に何度キレそうになることか。でもそんな時、私に「マッタ!」をかけてくれるのがTAの『共生』論です。今は、息子と私は三身一体なんだ・・・と心落ち着かせます。また、育児は、大変な反面喜びも大きなものです。日ごとにレパートリーが増す態度や言葉から、息子の自我の芽生えが感じられます。理論として学んだ内容が実体験できる瞬間です。今後も息子の成長に合わせ、TAを育児に活かしていきたいと思っています。(現在、自己流TA育児を満喫中!)〔前 加津代〕

◆教職員 中学校の先生はむずかしい年頃をむかえた生徒といかに本音で話し合えるかが大切な課題です。
 明るく楽しく心身共に健やかにして学業に励む生徒を世に送り出そうと、TAを活用して指導されている先生がいます。


 学校担任が苦手としている生徒や保護者の話に耳を傾けながら、ストロークの与え方や相補交流ができるやりとりの仕方をアドバイスして、信頼関係を基盤とした学校づくりを目指しています。〔野本 千壽子〕
◆カウンセラー カウンセリングに訪れるクライアントに関与する時、筆者はTA理論の、対抗禁止令に焦点を当てる事例が多い。対抗禁止令は言葉を理解するようになり親のPからのメッセージを受け取っているので、記憶を辿り気づきに至るのが容易であると経験している。対抗禁止令から自由になってよいと自分自身に許可を与えることを実践し、駆り立てられる生活ではなく自分らしく生きることを目標にし、TAを活用した面接を行っている。〔平松 みどり〕



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